ご家族が亡くなった後、相続の手続きを進めようとすると「誰に相談すればいいのか分からない」という壁にぶつかる方が少なくありません。税理士・司法書士・弁護士・行政書士と、相続に関わる専門家は複数いますが、それぞれ対応できる範囲が異なります。
この記事では、相続が発生した際にどの専門家に何を相談すればいいのかを整理します。
税理士は、相続税に関する手続き全般を担当します。相続が発生した場合、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合には相続税の申告・納税が必要になります。
税理士に相談・依頼できる主な内容は以下のとおりです。
- 相続税がかかるかどうかの試算・シミュレーション
- 遺産の評価(不動産・株式・預貯金など)
- 相続税の申告書の作成・提出
- 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例などの適用
- 生前対策(生前贈与・生命保険の活用など)のアドバイス
相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。期限を過ぎると加算税・延滞税が発生するため、早めに税理士に相談することをおすすめします。
司法書士は、不動産の名義変更(相続登記)を中心とした登記手続きを担当します。2024年4月から相続登記が義務化され、不動産を相続した場合は3年以内に名義変更を行う必要があります。
司法書士に相談・依頼できる主な内容は以下のとおりです。
- 不動産の相続登記(名義変更)
- 遺産分割協議書の作成
- 相続放棄の申述書の作成サポート
- 預貯金・株式の名義変更手続きのサポート
不動産を相続した場合は必ず司法書士に依頼する必要があります。名義変更を放置すると、売却や担保設定ができなくなるだけでなく、過料の対象になる可能性もあるため注意が必要です。
弁護士は、相続人同士のトラブル・争いが発生した場合に相談する専門家です。遺産分割協議がまとまらない、遺言書の内容に異議がある、遺留分を侵害されているといった場面で活躍します。
弁護士に相談・依頼できる主な内容は以下のとおりです。
- 遺産分割協議の交渉・調停・審判
- 遺留分侵害額請求
- 遺言書の有効性に関する争い
- 相続人同士のトラブル対応全般
相続人間で争いが生じていない場合は、弁護士に依頼する必要はありません。ただし、感情的な対立が生じている場合や、相続人の一人が財産を独り占めしようとしているケースでは、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
行政書士は、相続に必要な書類の収集・作成を担当します。戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成など、法律的な争いがない場合の書類手続きを比較的リーズナブルな費用で対応してもらえます。
行政書士に相談・依頼できる主な内容は以下のとおりです。
- 戸籍謄本・住民票などの収集代行
- 遺産分割協議書の作成
- 相続関係説明図の作成
- 預貯金の解約・名義変更書類の作成サポート
ただし、行政書士は登記手続きや税務申告、法的トラブルへの対応はできません。手続きの内容に応じて、他の専門家と連携が必要になるケースもあります。
相続が発生した際の相談先を整理すると、以下のようになります。
- 相続税の申告・節税対策 → 税理士
- 不動産の名義変更(相続登記) → 司法書士
- 相続人間のトラブル・争い → 弁護士
- 書類収集・協議書作成(争いなし) → 行政書士
相続の手続きは複数の専門家が関わることが多く、「まず誰に相談すればいいか分からない」という方も多いです。当事務所では、相続税の申告・相談はもちろん、他の専門家との連携が必要な場合も含めてご相談を承っております。
「相続税がかかるか分からない」「何から手をつければいいか不安」という方は、まずはお気軽にご連絡ください。
宇部市・山陽小野田市・山口市を中心に、相続に関するご相談を承っております。
※本記事の内容は、2026年8月時点の法令・制度に基づいて作成しております。今後の法改正等により、取り扱いが異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。