税務調査が始まっています!

法人及び個人事業主の方々はインボイス制度の開始まで1ヶ月を切り、準備や対応に多忙のことと思います。

税理士事務所も来月からのインボイス制度の開始に備え、戦々恐々としています汗

そんな中、国税局及び税務署の税務調査が開始されています。

まずは、税務調査の対象となる法人又は個人事業主について、元国税職員の目線でお話したいと思います。

【大規模法人】

国税局の「調査課」が所管している大規模法人(資本金1億円以上)。2~5年程度で調査に臨場します。

取引量も多いので検討項目は絞った調査展開が図られます。検討できなかった項目は次回の調査で検討します。

【税務署所管法人】

一般的に、①売上伸長、②売上の伸長に比し、法人所得が比例しているか及び③法人所得の低調要因として、どの項目が影響しているか(原価?一般管理費?営業外損益?)。

貸借対照表(専門用語:B/S)で役員借入金の推移を分析します。役員借入金の資金原資が、どこから発生しているかの検討をしています(国税局の調査担当部署も要注意科目として注目しています)。

また、固定資産といった大きな資産取得時における資金出所、事業の用に供した日(決算期末は要注意)の検討はなされます。

なお、資料調査課並びに資料調査課の出身者は、各社の経営分析をしっかりして調査に臨んできますが、特に貸借対照表の分析に力を注いでいます。当事務所のX(旧twitter:9月6日ポスト)でも投稿したとおり、損益計算書(専門用語:P/L)は単年の数字ですが、貸借対照表(B/S)は会社設立から積み上がった数字となるので、誤魔化しが効かない。資料調査課は過去7年間の経営分析を実施した上で、貸借対照表の数字と損益計算書の数字のバランス及び各分析比率を根拠に調査選定しています。

【税務署所管個人事業主】

毎年、重点業種を決めて業種を絞った調査選定をします。

国税庁からの発表に基づき決定又は変更されますので、毎年同じになることはないですが、「1,000万円ボーダー」といって、消費税課税事業者にギリギリならない個人事業主(例えば、売上金額が990万円やギリギリ1,000万円に満たない事業者)は調査対象に選定されます。

今年は国税庁から発表があったとおり、個人事業主の税務調査に力を入れるようです。副業を事業所得や雑所得で申告納税された方がいると思います。損益通算の有無が影響しますので、そのあたりを調査項目とするのではないでしょうか。

☆まとめ☆

大規模法人であれば、税務調査がどのように展開するかはご存知でしょうし、税務署所管法人も国税局の資料調査課の調査以外は、法人に保管してある資料を提示して、しっかり事前に準備しておけば慌てる必要はないです。

また、個人事業主の方は自身の申告の基となった資料を確実に保管しておき、申告の根拠となる数字が確認できるようにしておきましょう。「推計課税」という半ば強引な課税処理をされることを防ぐためです。

 

 

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