
個人事業を始めたばかりですが、確定申告は何から準備すればいいのでしょうか?

まずは1年間の売上と経費を整理することから始めましょう。その上で税負担の見通しを確認し、最適な対応をご提案します。
本記事では、確定申告の基本と注意点について整理しています。
■ 確定申告の基本
確定申告とは、1月1日から12月31日までの売上と必要経費を集計し、「所得」を確定させる手続きです。
売上から必要経費を差し引いた金額が「所得」となり、その所得に対して所得税が課されます。
例えば、
・売上1,000万円
・経費700万円
の場合、所得は300万円となります。この300万円に対して税率がかかります。
青色申告を選択している場合は、
・最大65万円の青色申告特別控除
・赤字の3年間繰越
・専従者給与の計上
など、税負担を軽減できる制度があります。
ただし、これらを適用するには、日々の帳簿の整備や証憑の保存が前提となります。形式だけ整えていても、実態と合っていなければ意味がありません。
■ 確定申告で注意すべきポイント
① 経費の判断
経費にできるかどうかは、「事業との関連性」で判断されます。
特に判断が分かれやすいのは、
・自動車関連費用
・携帯電話やインターネット料金
・自宅兼事務所の家賃
・交際費
などです。
事業と私的利用が混在する場合は「按分」が必要になります。
この割合の設定は、実態に基づいて合理的に説明できることが重要です。
安易に全額経費にしてしまうと、後日の税務調査で修正を求められる可能性があります。
② 消費税の申告義務
一定の売上規模に達すると、消費税の申告義務が生じます。
判定は原則として「2年前の課税売上高」に基づきますが、インボイス制度開始以降は、免税事業者であっても取引先との関係上、課税事業者を選択するケースも増えています。
消費税は所得税とは別に納税が必要になるため、資金繰りへの影響も大きくなります。
③ 所得増加時の税負担
売上が伸びてくると、
・所得税
・住民税
・事業税
・国民健康保険料
などが連動して増加します。
「思ったより税金が高い」と感じるのは、これらが重なってくるためです。
翌年の支払いまで見据えて資金を確保しておくことが重要です。
■ 法人化を検討するタイミング
利益水準が一定額を超えてくると、法人化を検討するタイミングに入ることがあります。
法人化には、
・所得分散による節税
・役員報酬の活用
・信用力の向上
といったメリットがあります。
一方で、
・社会保険加入義務
・事務負担の増加
・設立費用
などの側面もあります。
現在の利益水準や将来の事業計画を踏まえた総合的な判断が必要です。
■ 確定申告を「提出作業」で終わらせない
確定申告は、単に書類を提出する作業ではありません。
1年間の収支を整理し、
・どこに利益が出ているのか
・経費構造に無理はないか
・将来的に法人化を検討すべき水準か
といった点を見直す機会でもあります。
当事務所では、申告書の作成だけでなく、税負担の見通しや今後の方向性についても整理し、ご提案しております。
確定申告を「経営の判断材料」として活用することが、長期的な安定につながります。
宇部市、山陽小野田市、山口市で確定申告に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。