
個人で事業をしていますが、売上が伸びてきました。
法人にした方が節税になるのでしょうか?

利益水準や将来計画によって判断が変わります。法人化は「節税」だけで決めるものではありません。
事業が軌道に乗り、利益が安定してくると「法人化した方がよいのか」という疑問が生まれます。
法人化には税務上のメリットがありますが、同時に負担や責任も増えます。
本記事では、法人化を検討するタイミングと判断軸を整理します。
■ 個人事業と法人の税金の違い
個人事業では、所得税は累進課税制度が採用されています。
所得が増えるほど税率が上がる仕組みで、一定水準を超えると税負担が急増します。
一方、法人税は原則として一定の税率構造であり、所得税のような急激な税率上昇はありません。
そのため、利益が大きくなってきた段階では、法人化によって税負担が抑えられるケースがあります。
ただし、単純な税率比較だけでは判断できません。
■ 法人化の主なメリット
① 所得分散が可能になる
法人では役員報酬という形で所得を分散させることができます。
家族を役員や従業員とすることで、世帯全体での税負担を調整できる可能性があります。
② 退職金制度の活用
法人では役員退職金の制度を活用できます。
長期的な視点で見ると、大きな税務メリットにつながることがあります。
③ 信用力の向上
金融機関や取引先との契約において、法人の方が信用面で有利になるケースがあります。
特に事業拡大を目指す場合は重要な要素です。
■ 法人化のデメリット・注意点
① 社会保険加入義務
法人になると、原則として社会保険への加入が義務となります。
保険料負担は個人事業時より増加する可能性があります。
② 赤字でも発生する税金
法人では利益が出ていなくても、均等割という税負担が発生します。
③ 事務負担の増加
決算書類の作成や登記手続きなど、事務手続きは個人事業よりも複雑になります。
■ 法人化を検討する一つの目安
一般的には、利益が一定水準を超え、安定して継続する見込みがある場合に検討対象となります。
ただし、判断基準は利益額だけではありません。
- 今後の売上成長見込み
- 従業員雇用の予定
- 設備投資計画
- 資金調達の可能性
これらを総合的に考慮する必要があります。
■ 法人化は「節税」ではなく「経営戦略」
法人化は、単なる税金対策ではありません。
事業をどの規模まで拡大するのか、どのような経営体制を構築するのかという「戦略」の一部です。
短期的な税負担だけでなく、社会保険、資金繰り、将来の事業承継まで含めた視点が重要になります。
宇部市、山陽小野田市、山口市で法人化をご検討の方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
現在の利益水準と将来計画を踏まえ、総合的な判断材料をご提示いたします。